ザ・昭和 のり弁当の憂鬱

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「のり弁当」は昭和の申し子といえるのですが、ここにきて、大きく、各社、差が生じているようです。

商品力の違いが歴然としてきつつあります。

これまでも価格競争に巻き込まれやすい中食商品と言えば、のり弁当があげられます。

1週間という期間限定で価格競争が繰り広げられます。

それ以上期間を延ばすと、決して良くないことを、中食の企業、経営者はわかっているのです。つまりスーパーが以前、仕掛けた低価格弁当投入は、はっきり申し上げて禁じ手でして、これにより、低価格が定着してしまったと幾度となく言っています。

さて今回の消費税前後、のり弁当に関しては、各社、他社の動きを横目で見ながら、300円前後の設定で勝負をかけています。今後、ますます原料、つまり魚の食材で構成されているのり弁当は厳しいものとなるでしょう。

すでに2002年以降、のり弁当の原料は高騰してきており、諸外国の魚の消費量がアップしていることから、買い負けが生じ、輸入は減少傾向。

とはいえ、ブルーカラー、学生の救世主であった昭和が生んだ時代の申し子ともいえるのり弁当は、外せない、いわば弁当専門店にとってシンボリックな商品ともいえ、ジレンマ商品なのであります。

さて価格競争に突入する際、やはり先手必勝と申しますか、それがインパクトになり、後発は、どうしてもぱっとしない。

私は、決して価格競争に対して肯定的ではありません。そしてもしも仕掛けられたならば、その喧嘩には乗らないこと、これに尽きると思っています。

2番手というのは、1番手の失敗を教訓にできるため、多くの場合、メリットがあるのですが、価格競争に関しては、沈黙、静観というのが賢明といえるのでしょう。

そして価格競争をしかけるには、それなりの覚悟と綿密な商品構成、商品力があってこそ効力が出ると考えています。

これは外食、中食、いずれにおいても言えることないでしょうか。

Ikeda eri