謹賀新年、幕の内弁当

あけまして、おめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

お正月は、おせち料理をちょっと、お屠蘇をほんの少しいただきました。

ごまめを作って・・・

ごまめは、1匹ごとにはらわたをとり、それを丁寧に炒って、先に作っている甘めの

たれを回して、最後にしょうが汁をかけるのが私の作り方です。

幕の内弁当について集中して読んでおります。 幕の内弁当は以前から興味があり、あらゆるジャンルの商品を定点観測しております。

皆様もご存じ、幕の内弁当は江戸時代の幕と幕との間に「さっさ」と食べる弁当が由来で、「弁松」が江戸時代から今も残っている弁当といえます。

幕の内弁当を試食する際、しげしげと眺めます。その度に思うことは、 お弁当は、「輻湊」という言葉が当てはまるのかもしれません。ふたを開けた瞬間に四季折々の食材が詰まっており、色鮮やかで◇のなかに繰り広げられる文化があります。

その一方でお弁当は効率の上に成り立っています。まずは大量に製造して作り置き。海外ではしばし置くというと、「発酵」、つまり長く保存というイメージが強いものです。日本の弁当、つまり幕の内弁当なども作り置きとはいえ、あくまで短時間であり、保存とまで言わない時間で「さっさ」と食べていただく。それを大量生産して、弁当に同じ材料を各弁当箱に一つ一つ詰めていく。一見、日本文化を感じさせつつも「産業」としても食をとらえているのです。このような商品が、すでに江戸時代にあった、と考えると、日本の芸術は、経営、効率を度外視に考えていない部分もあります

関西において「弁松」は販売されていないため、関東にいるときはしばし購入するようにしています。

すっきりとした甘さはお江戸の甘さと思うのは、私だけかしら。

そして購入し、食べる前からすでに弁松の味わいは始まっています。

弁当箱から香しき経木の香り。

食と香りは切っても切り離せないこと、と弁松の弁当を食べるとき、思うものです。

そして幕の内弁当は五感をふるに感じる商品としてよくよく考えられているともいえるのです。

Ikeda Eri