以前から定点観測している「すし」
今回はより集中的に調べあげました。
それにしても、ずいぶん、スーパーのすしが進化しています。
さて、寿司を大別すると、にぎり、いなり、巻き寿司、プラスちらし寿司。
それが、いずれもバージョンアップしております。
これまでは、価格設定を変更したり(時には低価格にしすぎたこともあり)、商品そのものを掘削することなく、付け焼刃的なイメージがあったのですが、これほどまで進化しているとは・・・
特にいなり寿司、巻き寿司の進化は目を見張るものがありました。
いなり寿司=甘い(特に関東)というものが、ちょっと趣をかえて提案しています。これまで色目を濃くする、甘さを変える。それだけだったのが、新しい提案もあり、うなったものです。一例をあげると、おはぎとセットしたり。
本来、稲荷寿司は、おやつ代わりに食べるので、そういったニーズがあることは、わかってはいたのですが、実際、パックに詰めれているのをみると、見落としていたと納得と反省。
さてチラシ寿司は大きくいうと、上に刺身など散らしたもの、おばあちゃんが作る混ぜ込みと別れるものです。
すしの上にグザイを乗せるのが「ちらしずし」
いっしょにまぜるのが「ばらすし」
スーパーではこの2つをおおよそ陳列しております。
母は、バラ寿司が多かったような・・・神戸は明石に近いということから、あなごを入れてくれていた記憶があります。ちょっとまろやかな脂が加わって、おいしい母の味でした。寿司酢をさっさと切るようにご飯に入れていく姿が焼き付いております。
本来ならば、グザイ一つ一つ別だきにして、それを混ぜるのがおいしいのです。当初とある会社では、全部、別だきにして店舗内でまぜていたところもありました。
とはいえ、オペレーションがまわらないのです。
しかしその時のちらし寿司は、本当においしく、お客様は正直で、よく売れた記憶があります。近所のおばあちゃまにとっても人気でした。
グザイ一つ一つがもつ良さを生かしつつ、味付けされているので、混ぜると味が渾然一体となり、味わい深いものとなっていました。のちに1パックに入ったものを混ぜる工程に変更されてしまいましたが・・・。
開発をする際、「ばらすし」の容器を気取ったものに入れ替えるなど検討されたものですが、普段使いというのを感じさせる容器のほうが売れるものです。
一時期、ちらし寿司にめざめ、有名店の商品を食べ歩いたことがあります。
なかでも印象に残っているのが創業天保2年「たこ竹」のちらし寿司。
一つ一つの仕込みがていねいで、卵焼きなどはハモが入っており弾力のあるものでした。10種類からなるグザイの仕込みは、1週間かけて作られていたので、ほとんど休みがとれないとも言われていました。ちょっとだけ高いお値段でしたが、食べ終わると2000円でも納得できます。東京の有名なチラシ寿司は、もっとかわいくないお値段だっただけにむしろ安いかも、と思ったほどです。
盛り付けの際、順番も決まっており、それはそれは美しいものでした。
ただいまお写真を探しているのですが、ないのです。
すみません・・・。
場所は、問屋街松屋町にありました。
http://tabelog.com/osaka/A2702/A270204/27000957/dtlrvwlst/5292405/
後継者がいない、と嘆かれていたこと思い出します。
手間暇かけて作ってくださって、あっという間に食べてしまう。
これは申し訳ない、と思ったほどです。
いろいろ質問し、聞きたいことはできるだけ書いているのを見て、次に来店した際は、おすしの専門本をくださった。
うれしくて、丁寧に読み、もう一度、お礼を言いにお店に行きました。
とはいえ、しばしご無沙汰しているので、久々に食べに行こう、と思っています。
あのようなお店は、これからも残ってほしい、と思うものです。
Ikeda Eri